おやつ選びでアゴを育てる?歯並びに良い食べ物・悪い食べ物

こんにちは!流山市平和台にある小川歯科医院院長の小川です!

「うちの子の歯並び、なんだかガタガタしてきたかも……」「アゴが小さいと言われたけれど、どうすればいいの?」——そんなお悩みはありませんか?

実は、毎日のおやつ選びが、お子さんのアゴの育ちと歯並びに思っている以上に関わっています。

今回は、子どもの歯並びを育てるおやつの選び方と、気をつけたい食べ物・食べ方について、わかりやすくお話しします。

お子さんの「食べる力」は、乳歯から永久歯へ生えかわる時期にぐんぐん育ちます。

今日から取り入れられるヒントばかりですので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

おやつは「第4の食事」!アゴを育てる大切なチャンス

まずお伝えしたいのは、子どものおやつは「ごほうび」や「お楽しみ」だけではない、ということです。

子どものおやつは栄養補給の大切な時間

小さなお子さんは胃が小さく、1回の食事でとれる量が限られています。

そのため、3回の食事だけでは必要なエネルギーや栄養素が足りず、それを補う「第4の食事」としておやつが位置づけられています。

つまり、おやつは「何を食べさせてもいい自由時間」ではなく、栄養と、お口の育ちを支える大事な時間なのです。

ここで何を選ぶかが、お子さんのアゴと歯並びに少しずつ影響していきます。

現代の食事は「やわらかい」が当たり前?

ハンバーグ、カレー、パスタ、パン、スナック菓子——現代の子どもたちが口にする食べ物は、昔と比べてやわらかいものが増えました。

やわらかい食べ物は噛む回数が少なくて済むため、あごやお口まわりの筋肉を使う機会がどうしても減ってしまいます。

日本小児歯科学会も、乳歯が生えそろう幼児期には「よく噛むよう促す食べ物の大きさやかたさ」が大切であり、学齢期にはかたさや弾力のある食べ物で噛む経験を積むことが必要だと提言しています(参考:日本小児歯科学会「『食育』推進についての提言」)。

おやつは1日1〜2回ある習慣ですから、ここを見直すだけでも噛む回数はぐっと増やせますよ。

なぜ「噛むこと」がアゴと歯並びを育てるの?

「よく噛みましょう」とはよく言われますが、それが歯並びにどうつながるのでしょうか。

少し詳しく見てみましょう。

噛む力があごの骨と筋肉を刺激する

しっかり噛むという動作は、あごの骨とその周囲の筋肉に適度な刺激を与えます。

骨は、使われることで丈夫に育つ性質を持っています。

歯がきれいに並ぶためには、歯が並ぶだけの「スペース」が必要ですが、そのスペースをつくるのが、しっかり育ったあごなのです。

逆に噛む機会が少ないままだと、歯が並ぶスペースが不足し、歯が重なって生えてくる「叢生(そうせい)」——いわゆるガタガタの歯並びにつながることがあります。

よく噛むと唾液が増えてむし歯予防にも

噛むことのメリットは、あごの発達だけではありません。

よく噛むと唾液がたくさん出ます。

唾液には、食べかすを洗い流す、酸で溶けはじめた歯を修復する(再石灰化)、細菌の働きを抑えるなど、お口を守るたくさんの働きがあります。

さらに、厚生労働省は「ひと口30回噛む」ことをすすめる「噛ミング30(カミングサンマル)」という取り組みを推進しており、よく噛むことは早食いや肥満の予防にもつながると報告されています(参考:e-ヘルスネット「速食いと肥満の関係」)。

噛むことは、歯並びにも全身の健康にも良いことづくめなのですね。

歯並びに良いおやつ・気をつけたいおやつ

では、具体的にどんなおやつを選べばよいのでしょうか。

ご家庭で選びやすい形で整理してみました。

アゴを育てる「噛みごたえのあるおやつ」

おすすめは、自然に噛む回数が増える食べ物です。

•さつまいも・とうもろこし・枝豆:素材そのままで噛みごたえがあり、食物繊維も豊富
•りんご・梨・かたゆでにんじんスティック:前歯でかじり取る動きが身につきます
•小魚・チーズ・ナッツ類(年齢に注意):カルシウムがとれて噛む回数も増えます
•おにぎり・煮干し入りのおやつ:甘みが少なく、食事の補いにもなります


特に「前歯でかじり取る」という動きは、丸ごとの果物や大きめに切った野菜でしか経験できません。

小さく切りそろえすぎず、あえて大きめのままお皿に出してみるのも良い方法です。

むし歯リスクが高い「気をつけたいおやつ」

一方で、注意したいのは砂糖が多く、歯にくっつきやすいおやつです。

キャラメル、ソフトキャンディ、グミ、クッキー、砂糖の多いジュースや乳酸菌飲料などは、歯の溝や歯と歯の間に長くとどまりやすく、むし歯の原因になりやすいと言われています。

世界保健機関(WHO)も、むし歯や肥満の予防の観点から、砂糖などの遊離糖類の摂取を総エネルギー量の10%未満、できれば5%未満に抑えることを推奨しています(参考:農畜産業振興機構「砂糖と健康」解説)。

もちろん「絶対に食べてはいけない」ということではありません。

大切なのは、毎日の習慣にしないことと、後でご紹介する「食べ方」です。

甘いおやつを選ぶ日には、キシリトールなどの代用甘味料を使ったお菓子も選択肢になります。

代用甘味料は甘みがあってもむし歯の原因になりにくく、間食に向いていると説明されています(参考:8020推進財団「むし歯を予防する“代用甘味料”って何?」、日本歯科医師会 テーマパーク8020「キシリトールについて」)。

「硬ければ硬いほど良い」は間違いです

ここで、ひとつ大切な注意点があります。

「アゴを育てるなら、とにかく硬いものを食べさせればいい」と考えてしまう方がいらっしゃいますが、これは誤解です。

極端に硬いもの——氷、あめ玉を噛み砕く、かたい骨せんべいなどを無理に噛ませると、乳歯が欠けたり、あごの関節に負担がかかったりすることがあります。

歯科の専門家向けの資料でも、単に硬いものを食べれば顎が育つという単純な話ではなく、その子の発達段階に合った食べ物を「よく噛んで食べる」ことが重要だと整理されています(参考:日本歯科医学会「子どもの食の問題に関するよくある質問と回答」)。

目指したいのは「硬さ」ではなく「噛む回数」。

適度な歯ごたえがあり、しっかり噛まないと飲み込めない食べ物こそが理想です。

お子さんのおやつ、いつも同じものになっていませんか?ぜひ一度、噛みごたえという視点で見直してみてくださいね。

おやつの「食べ方」が歯並びとむし歯を左右します

実は、何を食べるかと同じくらい——場合によってはそれ以上に大切なのが、どう食べるかです。

時間を決めて、ダラダラ食べない

お口の中は、食べ物が入るたびに酸性に傾き、歯の表面が溶けはじめます。

その後、唾液の力で少しずつ元に戻っていくのですが、ダラダラと食べ続けていると、この「元に戻る時間」がなくなり、歯が溶けっぱなしの状態が続いてしまいます。

おやつは「1日1〜2回、時間を決めて」が鉄則です(参考:母子健康協会「むし歯にならない食べ方 〜時間を決めて食べましょう」)。

むし歯のなりやすさは、砂糖の「量」よりも口に入る「回数」に強く影響されると考えられています。

飲み物選びも忘れずに

おやつと一緒に出す飲み物も見直しポイントです。

ジュースやスポーツドリンク、乳酸菌飲料には想像以上の砂糖が含まれています。

おやつのおともは、お茶か水が基本。

これだけでも、1日の砂糖の量はぐっと減らせます。

姿勢を整えるともっと噛める

意外に思われるかもしれませんが、食べるときの姿勢も噛む力に直結します。

イスに座ったとき、足の裏が床や足台にぺったんとつくと体が安定し、しっかり噛む力が出せます。

おやつのときも、テレビを見ながら立ち歩きではなく、テーブルについて座って食べる習慣をつけてあげましょう。

今日から始められる、おやつ習慣の見直し

最後に、ご家庭ですぐに実践できるポイントをまとめます。

まずはこの3つから

1.おやつの時間を決める:「3時に1回」と決め、その時間以外は水かお茶に
2.噛みごたえのある素材を1つ加える:さつまいも、りんご、小魚など、市販のお菓子に置き換えなくても「プラス1品」でOK
3.食べた後は、うがいか歯みがきを:完璧でなくても、口の中をさっぱりさせる習慣が大切です


すべてを一度に変える必要はありません。まずは1つ、続けられそうなことから始めてみてください。

毎日のおやつは1年で数百回。その積み重ねが、数年後のお子さんの歯並びとお口の健康をつくっていきます。

お子さんの歯並びやアゴの育ち、おやつの選び方でお困りのことがありましたら、どうぞお気軽に小川歯科医院にご相談ください。

お子さん一人ひとりの成長段階に合わせて、ご家庭での食べ方の工夫を一緒に考えていきます。

流山市平和台・鰭ヶ崎エリアで歯医者さんをお探しの方、お子さんのお口のことが気になる方は、ぜひ一度お越しくださいね。

スタッフ一同、心よりお待ちしております!